2012年11月26日月曜日

モーツァルトと007な今日この頃だった話。

また少し時間が空いてしまった。
アッティラのあと、今度はモーツァルトと格闘していたのだ。

ミサ曲K66

珍しい事に、こんなミサ曲を歌うお仕事を頂いた。友達のバス歌手経由。
私のレパートリーに殆どないモーツァルト。
有名なアリアは一通り勉強したけど、イタリアに住んでいるせいか滅多に歌う機会がない。
そんなわけで、とても新鮮な気持ちで楽しんで勉強した。
モーツァルト13歳の時の作品と思われるが、やはり流石モーツァルトである。
美しい旋律とソリストの4重唱などのハーモニーは、歌えば歌うほど味が出る感じで、勉強すればするほど楽しさが増して行くようだった。
本番当日の午後にオーケストラと合唱団とのリハーサルをしてから夜本番という、ちょっと無謀なスケジュールだったので、ソリスト同士で相談して合同練習をした。
本当にこれをやっておいて良かった!とつくづく感じた当日であった。
練習と言ってもザーッと通すだけで、それぞれの役目をきちんとこなした物をただ要所にはめ込む、といったものだったので、意外と複雑だった4重唱や、合唱の合間の数小節のソロ部分など、結構緊張感の漂う作品だったのである。

しかしこのコンサート、実はこれだけではなかった。
モーツァルトを何とか把握した!と思ったところへ、今度はテレマンの悪夢が襲ったのだった。
テレマンなんて、高校時代にファゴットの曲にはまった記憶があるだけで(もちろん聴く方)、モーツァルト以上に歌う面ではご縁のない作曲家。
それがオーガナイザーのミスで、ソリストに連絡が来ていなかった事が判明したのが本番の5日前。それもメゾの歌手がスケジュール確認の為に電話を掛けた事が幸いしたのだった。
大慌てで楽譜が送られ、ソリストそれぞれが担当の曲を確認して、何とか本番ギリギリ間に合った状態だった・・・。
ちなみにこの曲→

まぁ、一番最初に話が来た時も、「モーツァルトのミサなんだけど歌ってくれる?」という依頼に「どのミサ曲よ?軽い声のレパートリーの曲なら無理だよ」って言ったら「あ、どのミサ曲かわかんないや、確認して連絡する~」という状況。分かったのは2日後。
なんとものんびりした話でありました。
無事に本番が終わって、本当に良かったよ、と、心から思う私であった・・・。(/´Д`)/


話は180度代わって、ここ数週間の間に私はすっかりダニエル・クレイグのファンになった話。
前から気になっていたのだけど、なかなか観る機会のなかった彼の作品をここのところで4作一気に観たのである。
『ドラゴンタトゥーの女』は原作から大好きで、スウェーデン版もとても楽しんだけど、ハリウッド版も悪くなかった。
原作と比べると細かな描写やストーリー上のエピソードで割愛されてしまう部分が多くてちょっと残念だけど、ハリウッド版はさすがにその辺を上手いことまとめていたように思う。

007のクレイグは正に私好みで、J.Bondはもちろんダントツでショーン・コネリーが一番なんだけど、私にとってクレイグは間違いなく二番手である。
彼の007デビュー作『カジノロワイヤル』もとってもよく出来ていると、夕べ観て思ったけど、新作の『Skyfall』はアデルの主題歌も良いし、007シリーズ50周年記念作品で、とっても面白いのでぜひ観てね♡(日本では12月1日公開だそうです。回し者か、あたしゃ?)


2012年11月16日金曜日

ウーディネ

少し前のブログに書いたオペラ『アッティラ』のオーディションを受けにウーディネへ行って来た。
素晴らしい秋晴れの日で、そのまま遠足にでも行ってしまいたいような気分。

遠くに国境に跨るアルプスが見える。

でも一応目的はオーディションだったので、しっかりニコ子を忘れた。ちっ、私としたことが!

オーディションはまぁ、こんなもんかって出来だったのだけど、なんとも凄い偶然で、審査員の中に私が若き頃、初めて『蝶々夫人』を歌った時のオーガナイザー氏が居て、お互いに再会を喜び合った。
この彼のオーガナイズの公演で、イタリア各地のみならずベルギーまで、そして劇場、街の広場、本当に色々なところで『蝶々夫人』を歌い、経験を積む事ができたのだ。
最後に会ったのは、10年ほど前の事だったと思う。
すっかり歳を取ってしまっていたけど、若いときの楽しかった事を思い出して嬉しかった。

ちょうど計ったようにお昼ご飯時にオーディションが終わり、一緒に来てくれた夫と二人で街へ繰り出した。
まずは美味しいレストラン探し。
お腹がペコペコだったのだが、一軒目に見つけたお店では妥協せず、二軒目、三軒目と渡り歩いて、ようやく決めた。
Ristorante antica Maddalena
フリウリ州のお料理を食べさせてくれるというお店で、小さな店内にはテーブル席が20席弱(もしかしたら二階席もあったかも)。こぢんまりとした作りの、モダンだけど可愛らしく落ち着いたインテリアのお店である。

メニューを見て、Fricoというチーズ入りジャガイモ焼きコロッケ・・・みたいなお料理と野菜の酢漬けを前菜に、そして2種類のプリモを注文した。
右の筒のようなものはチーズがカリカリに焼かれたもの。
下はポレンタ。

一つはCJARSONS (チャルソンス?)と呼ばれるラビオリの一種、特徴的なのはバターと削ったチーズで和えた上にシナモンと少量のお砂糖がかかっていた事。ラビオリの中身のハーブの香りと相まって、面白い美味しさだった。
甘さと塩辛さのハーモニー♪

もう一つは自家製タリオリーニのサン・ダニエーレ生ハム和え。
フリウリと言えば、パルマと並ぶイタリア2大生ハムの一つ、サン・ダニエーレである。
クリームチーズとカリカリに火の通った生ハムで和えたパスタの上に、ドカッと2枚の生ハムが。
これはマジで絶品で、夫は「これを食べにすぐにまたココに戻って来たいね」と言うほどだった。

この日の大ヒット!
再現したいけど、その前にもう一度このお店で食べたいっ!
あ、忘れてはならないのがワイン。
フリウリはイタリアでも有数のワイン(私の好みとしては特に白ワインが美味しい)産地である。
テーブルの上にはCalice(グラスワイン)のメニューが置かれていて、昼間から周りのテーブルもみんなワインを飲んでいる。
グラスワインはフリウリのワインが色々。全部飲みたい~。


私は大好きなPinot Grigioを選んだ。2杯目は違う種類のものを頼もうと思っていたけど、美味しかったので結局同じものをおかわり。
ああ、至福の昼食である。

グラスにはお店のロゴが。
美味しいものを食べたときはダイエットは忘れてとことん食べるのが身上。
というわけで、デザートもしっかり注文。
オーディションで(多分)頭を使ったから、少し糖分を脳に補給しておかなくては・・・と意味不明な事を呟きながら。
Baileysのジェラートにエスプレッソコーヒーをかけて、その上にシャンティリークリームを載せたもの・・・を食べた。

美味しかったけど、コーヒーが熱すぎたのかジェラートが溶けまくっててBaileysの味がイマイチしなかった・・・。









お腹一杯で気分も大満足になった後は、街中の散策である。
ウーディネに一体何があるのか、全くリサーチせずに来てしまった私達だったが(一応オーディションだったしさ。笑)、色々なモニュメントや特徴のある建物などを見て回った。
路地。
マッテオッティ広場




リオネッロのロッジャ
重厚な建物の多いウーディネ。
MaxMaraも他の街とはちと違う?



Duomo

この街にもポルティコ(屋根つき歩道?笑)が。
車に向かいます。
冬時間になり、日が傾くのが早くなったこともあったので、1時間ほど歩き回った後は帰路についた。
帰りは西日に向かって走るのでちょっと疲れたけど、充実した楽しい一日で、良い気分転換になった。

『アッティラ』の次はモーツァルトのミサ曲。

来週の土曜日に歌わなくてはならないので、只今必死のパッチで勉強中。
しかし落差ありすぎ・・・。